ひな祭りの苦い思い出

コーヒーカップ   2017年2月21日   ひな祭りの苦い思い出 はコメントを受け付けていません。

ひな祭りというと忘れられない思い出があります。

家は私と弟の二人姉弟です。

母方の祖母からすると孫は二人だけなので、女の孫というと私だけになります。

そんなわけで、私が産まれた時にものすごく喜んだ母方の祖母からお祝いにお雛様がプレゼントされました。

これが12段からなる大層な代物で、お内裏様、お雛様、三人官女、右大臣、左大臣や牛車やお茶道具などの小物類もあるものでした。

毎年ひな祭りになると父が段を組み立てるところからはじめて飾りつけをします。

私は12段が組み立て終わって、赤い毛氈が敷かれるまでを見るのがとても好きでした。

あれは4歳くらいだったのでしょうか。

組み上がった赤い段を見るたびに登ってみたいとずっと憧れていました。

その前の年に1段登ったところを父に見つかりこっぴどく叱られました。

しかし叱られるほどやりたくなるものなのです。

毎年恒例で父が段を組み立てたのですが、その年は始める時間が遅く段を組み立ててお内裏様とお雛様様を飾ったところで夕飯になり、続きは次の日にすることになりました。

赤い段の一番上の段のみ飾られていて、後は空いたままなのを見て、私は衝動をおさえられませんでした。

父と母に見つからないように、こっそりと登ってみることにしたのです。

一人で怒られるのは嫌なので、弟も誘って。

憧れの段を3段目まで登った時に、突然足元が揺れました。

そして暗転。

気がついた時には畳の上に落ちていて、段も崩れていました。

子供二人の体重を支えられる訳もなく、段は無惨に壊れたのです。

すごい音がしたのでしょう、慌てて飛び込んで来た両親の顔は蒼白になっていました。

幸運にも私も弟にも怪我はありませんでした。

しかし転がったままの私の視界に入ったのは段から落ちたお内裏様で、なんと首がとれていました。

お内裏様の生首と目が合った気がしました。

もちろん両親から酷く怒られたし、段から落ちたことにもショックでしたが、それよりもお内裏様の生首が怖かったのです。

毎年ひな祭り来て雛人形を見るたびにあれを思い出し、それからはお内裏様に頭を下げるというのが私のひな祭りの習慣になりました。